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【小説感想】『対岸の彼女』友だちって何だったんだろう?

角田光代さんの本を読むのは『森に眠る魚』『太陽と毒ぐも』に続き3冊目です。

 

この小説では同い年の女性ふたりが中心に描かれています。3歳の娘を持つ小夜子と女社長の葵です。

 

あらすじ

 公園での人間関係に悩んでいた小夜子はこどもを保育園に入れて葵の会社で働き始めます。小夜子は葵のさばさばした自由で明るい性格に惹かれるのですが実は彼女には暗い過去がありました。奇数の章では主に小夜子の視点で物語が進み、偶数の章では葵の過去が描かれます

 

本題の感想ですが、すごく良かった。

特に中盤から終わりにかけて、葵の過去が分かってきた辺りからどんどんおもしろくなります。途中シリアスな雰囲気になるんですが、最終的に前向きな形で物語が終わるところも気に入ってます。

 

読後考えさせられることも多くありました。

高校時代の友達とかあんなに長い時間を一緒に過ごしたのに卒業したらほとんどそれっきりになってます。今一緒に過ごしている人たちとも縁が切れたらどうなるかわかりません。そういう人間関係の脆い一面が1つのテーマだと思います。

 

また、葵の過去を知ったうえでもう一度読むとさらに楽しめるかもしれません。この記事を書くためにぱらぱら読み返していてもいくつか気付くことがありました。

 

 

 

 

対岸の彼女 (文春文庫)

対岸の彼女 (文春文庫)