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【小説感想】『対岸の彼女』友だちって何だったんだろう?

角田光代さんの本を読むのは『森に眠る魚』『太陽と毒ぐも』に続き3冊目です。

 

この小説では同い年の女性ふたりが中心に描かれています。3歳の娘を持つ小夜子と女社長の葵です。

 

あらすじ

 公園での人間関係に悩んでいた小夜子はこどもを保育園に入れて葵の会社で働き始めます。小夜子は葵のさばさばした自由で明るい性格に惹かれるのですが実は彼女には暗い過去がありました。奇数の章では主に小夜子の視点で物語が進み、偶数の章では葵の過去が描かれます

 

本題の感想ですが、すごく良かった。

特に中盤から終わりにかけて、葵の過去が分かってきた辺りからどんどんおもしろくなります。途中シリアスな雰囲気になるんですが、最終的に前向きな形で物語が終わるところも気に入ってます。

 

読後考えさせられることも多くありました。

高校時代の友達とかあんなに長い時間を一緒に過ごしたのに卒業したらほとんどそれっきりになってます。今一緒に過ごしている人たちとも縁が切れたらどうなるかわかりません。そういう人間関係の脆い一面が1つのテーマだと思います。

 

また、葵の過去を知ったうえでもう一度読むとさらに楽しめるかもしれません。この記事を書くためにぱらぱら読み返していてもいくつか気付くことがありました。

 

 

 

 

対岸の彼女 (文春文庫)

対岸の彼女 (文春文庫)

 

 

【読書感想】『夢をかなえるゾウ』 楽しく読める自己啓発本

 関西弁の神様が主人公に1日1つ教えを授けて成功に導くお話です

 

成功するための自己啓発本の類ってスピリチュアルな要素が強かったりやたらボリュームがあったりで読みづらいですよね。

 

この『夢をかなえるゾウ』であれば楽しく成功の秘訣を学べます。そこがこの本の最大の特徴です。1つ1つの教訓をテンポよくユーモアを交えて語ってくれるのでどんどん読み進めます。偉人のエピソードもほどよく入っていて説得力がありました。

この本の世界では偉人のほとんどがこの神様に手助けされていたそうで、関西弁の神様がまるで友達の話をするように偉人の逸話を紹介しているのが面白かったです

 

夢をかなえるゾウ文庫版

夢をかなえるゾウ文庫版

 

 

【読書感想】『習慣の力 The Power of Habit』一つの習慣で人生が変わる

 この本では習慣が人生にどれほど大きな影響を与えるかが書かれています。

そもそも習慣とは何かということやその身に付け方(あるいは捨て方)についても書かれていましたが、一番興味深かったのはキーストーンハビットと呼ばれるものについての説明です。

 

一つのカギとなるいい習慣作る(または悪い習慣をやめる)ことで他のあらゆることにいい影響が出てくることがあるそうです。そのカギとなる習慣をこの本ではキーストーンハビットとよんでいました。これは個人だけに限らず企業や社会のスケールでも当てはまり、多くの具体例が紹介されていました。

 

これを読んでぼくが真っ先に連想したのは進研ゼミの漫画です。

あの漫画の主人公って進研ゼミを始めたことで勉強も恋愛も部活も全部うまくいって充実した学校生活を送りますよね。まさに進研ゼミが彼にとってのキーストーンハビットになっているんでしょう。

もっと現実的な例を挙げると早寝早起きを始めたら毎日を気持ちよく過ごせるようになって仕事も順調、明るく過ごせるようになった結果恋人もできた。こんな感じでしょうか

 

おそらく人生を好転させようするとき、多くの人は一度にたくさんのことを変えようとするんじゃないかと思うんです。そして結局挫折してしまいます。そうじゃなくて要となる1つの習慣を徹底して身に付けると他のことも引っ張られるようについてくるということでしょう

 

 

習慣の力 The Power of Habit (講談社+α文庫)

習慣の力 The Power of Habit (講談社+α文庫)

 

 

【小説感想】帰ってきたヒトラー 偉人はやっぱり偉人だった

2011年にアドルフ・ヒトラーが亡くなる直前の姿でよみがえるという物語です。

私はヒトラーさんについてあまり多くを知りませんでした。ユダヤ人を大虐殺した独裁者というくらいの認識しか持ってなかったんですよね。ですからこの本を読んで驚きました。やはり偉人は偉人であると(この小説の描き方の問題もあるでしょうが)

 

この小説を読んだ印象ではヒトラーさんは強い信念とカリスマ性を持った人物だったようです。これはなんとなく予想していました。だからこそ多くの人の支持を得たのでしょう。しかし、これもやはりと言うべきか、現代の感覚とは大きくずれた考えを口にすることもありました。それも彼なりの信念に基づいたものだから恐ろしかったです。

 

意外だったのはヒトラーさんはベジタリアンでありお酒も飲まないということでした。つまり彼は独裁者ではありましたが暴君ではなく、かなり自分にも厳しい人だったんですね

 

歴史に大きく名を残すような人物はみんなこのような強い信念を持っていたのでしょう。もちろん大虐殺や戦争は別の問題です。そこに話しを広げるとむずかしすぎて私にはわかりませんが

 

 

帰ってきたヒトラー 上 (河出文庫)

帰ってきたヒトラー 上 (河出文庫)

 
帰ってきたヒトラー 下 (河出文庫)

帰ってきたヒトラー 下 (河出文庫)

 

 

【小説感想】火花 又吉直樹 素人でもわかるすごさ

又吉直樹さんの火花を読みました。

 

正直ぼくは文学とか全然わからないんです。それでもこの小説は地力のある人が書いたものだと感じられました。本物特有の貫禄と言いますか迫力があると言えばいいのか。。。とにかく芸人がただ小説で一発当てただけではないことが伝わってきます。

 

この素人でもわかる文学っぽさと芸人が芥川賞受賞という話題性が重なって飛ぶように売れたんでしょうね。ネット記事によると2017年5月時点で発行部数300万部を超えているそうです。これもまた一目ですごいとわかります

 

又吉直樹さんの2作目『劇場』も近いうちに読んでみようと思います

 

火花 (文春文庫)

火花 (文春文庫)

 

 

 

劇場

劇場

 

 

ちょっとだけ寝不足が一番調子いい説について

食事は腹八分がいいとよく言われますが、それと同じように睡眠も八分くらいがベストなんじゃないかと思い始めました。「はちふん」ではなく「はちぶ」です

 

とくに掃除片付けのような単純作業は寝不足でも捗るときがあるんです。頭を使う仕事の前にはしっかり眠った方がいいかもしれませんが、惰眠をむさぼることなく質のいい睡眠を心がけたいところです

 

結局は何事もほどほどにということでしょうか

 

【小説感想】打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? 不思議な世界と魅力的なヒロイン

 友人がアニメ映画版を絶賛していたので読んでみました。

 

主人公の典道は13歳の中学一年生です。夏休みの登校日、花火大会の一日を何度もやり直して経験します。やり直すたびに世界に異変が起きるのですがその不思議な世界観とミステリアスでつかみどころのないヒロインがよく合っていました

 やっぱりこの作品の一番の魅力はヒロインのなずなです。何を考えているのか分かるような分からないような、魔性の女って感じでしょうか(まだ13歳ですが)

 

読み終わった後も結局何が起こっていたのかはっきりとはわかりません。しかし不思議な世界と魅力的なヒロイン、夏と青春の雰囲気に浸れるいい小説でした。

 

映画版は広瀬すずさん、菅田将暉さん、宮野真守さんらが声優をされているそうです。そっちも機会があれば観てみたいと思います。